「やってみよう!天体観測」湘南の海辺で月面観察🌕
秋といえば「十五夜」のお月見。秋・冬は空気が比較的乾いているため、くっきりとした美しい月が見られます。そんなお月様は、はじめての天体観測にもってこいの天体です。
天体観測は敷居が高いイメージがありますが、近年では使いやすさにこだわった初心者用の天体望遠鏡が販売されているので、子どもから大人まで簡単に天体観測をはじめることができます。また、スマホと組み合わせて月面の写真を撮ることもできます。
今回は、天体観測をはじめたい方・興味がある方に向けて
・海辺での月面観察レポート
・天体観測のはじめ方
・今後注目の天体情報をお届けします。
海辺での天体観測は忙しい日常を忘れて、美しい星空をのんびりと楽しめますよ。
海辺での月面観察レポート
初心者でも「本格的に見える」スコープテックの入門用天体望遠鏡「ラプトル50」を使用し、片瀬海岸で観測・撮影した様子をご紹介します。
協力:株式会社スコープテック
この日はあいにく曇りがちな空。雲の間から月が顔を出すのを、波音を聞きながらゆっくり待ちます。
.........でたっ!!
地球から約38万kmも離れている月をこの目ではっきりと見られたことがうれしくて、口元が三日月のようにほころびます。
湘南の海岸沿いは南の空が開けているので、条件が良ければ月だけでなく、惑星の観測にもおすすめの観測スポットです!
天体観測のはじめ方
★観測道具の選びかた
一般的に観測に使う道具は、天体望遠鏡か双眼鏡です。
どちらが良いということはなく、それぞれに向き・不向きがあるので、
観測したいものに合わせて選んでみましょう。
天体望遠鏡は天体を観察するための望遠鏡で、特に惑星の観察に適しています。
入門機でも、月面の模様・クレーターを見る事ができます。ほかにも、土星のリング、木星の縞模様なども観測することができます。安価なものでは、組み立て式の簡易のものがあるので、気軽に望遠鏡を試してみることができます。
双眼鏡は望遠鏡に比べると倍率は劣りますが、その分視野が広いので星座や星雲の全体を見るのに向いています。また、携帯性に優れているので、旅先での天体観測には欠かせない相棒となるでしょう。
ここまで観測用の道具を紹介してきましたが、肉眼でもちょっとした工夫で、いつもよりきれいに星空を観察することができます。
人間の目は、暗い場所で目が慣れ始める(暗順応)のに10分程かかります。目が慣れてくると、最初は見えなかった暗い星も見えてくるので、いつもとは違った星空を楽しめます。まずは手ぶらで、気楽に星空を見にでかけてみるのもおすすめです。
★あると便利な天体観測グッズ
・防寒具
夜間、気温がぐっと下がりそうな日は体温調節しやすい服装を用意して、快適に天体観測を楽しみましょう。
・赤色ライト(周囲が暗い場合)
周囲に明りがない場合、手もと・足もとを照らす明りがあると安心です。
そしてライトの色は、暗順応を妨げにくい赤色がおすすめ。懐中電灯やスマホのライトに赤いフィルムをかぶせるだけでもOKです。
・星座アプリ
天体を探すのに便利なのが、星座アプリ。無料で使えるものが多数あります。GPS機能がついているものなら、自分が見ている空と連動した天体情報を簡単に知ることができます。アプリを使わない場合は、星座早見盤とコンパスを使って天体を探すと良いでしょう。
・レジャーシート、椅子
レジャーシートは仰向けになって空を見上げるときや、膝をついて望遠鏡を覗くときなどにあると便利です。椅子の中には、天体観測用に座面の高さを変えられる天体観測専用の椅子もあります。
・スマホ撮影用のアダプター
アダプターがあるとスマホを使った撮影がぐっと楽になります。アダプターは各社から販売されているので、自分が持っている望遠鏡、双眼鏡、スマートフォンにあったアダプターか確認してから購入しましょう。
★観測場所を決める
最初のうちは自宅や近所の公園など、手近なところでも十分天体観測は楽しめます。が、次第に星をもっと!美しく観測できる場所を探し始める事でしょう。国立天文台のHPによると、
...他に強い光があると、それに邪魔されてしまって、天体の光がたいへん見えづらくなってしまいます。邪魔になる光の代表としては、都市の人工灯火があります。
...ひとつだけでも明るい人工灯火があると、やはり空を照らして天体を見えづらくします。
...月は他の天体に比べて桁違いに明るいので、空に月が出ているときは暗い天体を見るのにあまり適していません。特に満月前後の月は、明るいだけでなく、一晩中見えていますので、できれば事前に月の満ち欠けや月の出・月の入りの時刻についても調べておいて、月明かりを避けるようにしたほうがよいでしょう。
引用:©国立天文台,NAOJ
https://www.nao.ac.jp/faq/a1001.html
とあるので、空が明るく照らされる都市部から離れ、周りに人工の明りがない場所で、月明かりの影響が少ないタイミングを狙ってみると良いでしょう。
★星空情報のチェック
天体・天候は刻一刻と移り変わります、美しく天体を観測するためには、情報収集が重要です。
国立天文台の「今日のほしぞら」は、観測エリア・時刻を指定することで天体の位置を確認することができます。天体ごとに出入りする時間もわかるので、とても便利です。
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/skymap.cgi
tenki.jpの「星空指数」では、天気や月の満ち欠けを考慮して、天体観測に適した夜空なのかチェックできます。
https://tenki.jp/indexes/starry_sky/
月を見る場合は、「満月カレンダー」がおすすめ。
日ごと、地域ごとの月の満ち欠けがひと目でわかります。
https://www.arachne.jp/onlinecalendar/mangetsu/2022/9/
★観測の流れ(望遠鏡)
いよいよ、天体観測の始まりです!
※細かい操作方法などは、取扱説明書等をご確認ください!
1.セッティング
明るいうちにやっておきたいのが、ファインダーの調整(ファインダー調整が必要ない望遠鏡もあります)です。はじめて観測をする場合はピントを合わせる感覚もつかんでおくと良いでしょう。眼鏡をつけている人は、眼鏡をはずしてピントを合わせます。
事前準備が終わったら夜を待ち、望遠鏡を観測場所に設置します!
2.見たい天体を探す
星座アプリや、星座早見盤を使って見たい天体を探します。
3.天体を捉える
まずはファインダーで天体を狙います。ファインダーの中心にくるように望遠鏡を上下左右にゆっくりと動かします。望遠鏡を覗き、天体が中心にくるようにさらに望遠鏡を動かします。
中心に捉えることができたら、ピントを合わせます。
4.天体を観測する
接眼レンズをのぞきます。この時片目はつぶるか、手でふさいでおきましょう。
5.片付け・メンテナンス
忘れものがないかよく確認しながら片づけましょう。望遠鏡・双眼鏡のメンテナンスは使う場所や条件によって異なります。詳しくは望遠鏡メーカーのwebサイトのコラムやQ&Aを見たり、専門店などに相談すると良いでしょう。
月の次はこれを見よう!注目の天体情報など
★月の次におすすめの天体 & 今後注目の天文情報
土星・木星は比較的明るく観測しやすいのでおすすめです。月と比べるとはるかに小さく見えますが、望遠鏡で土星の輪、木星の縞模様を見る事ができます。
国立天文台のHPにある「ほしぞら情報」では、月ごとの注目の天文情報が公開されています。
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2022/
12月は火星の最接近やふたご座流星群が極大(流星群が最も活発に活動すること)を迎えるなど、天体イベントが目白押しです。
★スコープテックについて
今回、記事作成にご協力いただいたスコープテックさんは、藤沢・鵠沼に本社を置く天体望遠鏡メーカー。特に初心者用の望遠鏡の品質向上に力を入れており、天体望遠鏡入門にぴったりです。
スコープテックのWebサイト「スコープタウン」では
スコープテックの商品情報や、天体観測の楽しみ方など様々なコンテンツを見る事ができます!
https://scopetown.jp/category/column/