アイデア園芸 よりぬき沿線新聞

アイデア園芸『沈床花壇』

アウトテリア民園 井田洋介

 沈床花壇ちんしょうかだん(サンクンガーデン)とは、その名の通り、中心部分を沈めたように、周囲の敷地と高低差をつけ、斜面や境界に草木を植えた花壇です。平面に作ったものと違い、全体を俯瞰的に見られるので、視界に入ってくる景色に目を見張ります。

今回は、代表的な沈床花壇を持つイギリスの「ハンプトン・コート宮殿」の庭をご紹介します。

写真①

写真①は、周りを高い生け垣で囲み、華やかな季節の花を植え、段々畑のようです。高い目線から全体をみると、洗練されたレイアウトが絵画を連想させます。段差部分の石積みからもイギリスらしい風格が感じられます。

写真②

写真②は、写真①の隣にあるポンドガーデン。①の沈床花壇より一回り小さくて色合いもデザインもシンプルにつくられています。刈り込んだ生垣に囲まれたシックな空間。花壇の周りを散歩したい気持ちになりますね。

沈床花壇は、広いスペースが必要と思われがちですが、2、3段の段差ができれば十分。狭い庭ほど効果を発揮し、広さと変化を楽しめます。

自宅の敷地内にある活かしきれない傾斜地。このスペースを利用して階段状に植栽を植え、部分的な沈床花壇に応用してもおもしろいですね。段差を強調するには、植栽選びに注意すること。大きくならないクリービングタイムのようにカーペット状に這うものが合います。

庭の一部に沈床花壇を作り、夢のある新しい空間を作って楽しんでみませんか。

【今月の園芸作業】
1、2月は寒い日や乾燥した日が続きます。乾燥するとバンジーのような1年草には病気が発生しやすいので水やりを忘れずに。週に1~2回くらい、晴天の日の午前中、乾燥した花壇にたっぷりと。

【お知らせ】
〈新しい年がはじまりました〉
皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
今年もよろしくお願いいたします。

■アウトテリア民園
定休日、水曜、木曜日
営業時間 10時~16時
☎0466‐26‐1061

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