アイデア園芸 よりぬき沿線新聞

アイデア園芸『大きな器で楽しむ』

アウトテリア民園 井田洋介

今回は大きな器を使って、19世紀にイギリスで流行したロックガーデンのような野趣あふれる庭づくりをご紹介します。

植物は、一般的に山野草など自然の美しさを楽しめる草花を使い、器の大きさに合わせていろいろな植物を組み合わせていきます。
比較的大きい(100㎝×50㎝くらい)器には、多年草を植えることができるので、年を経るにつれて味が出るものもあり、長く楽しめます。

また、小さめのものでも山野草や多肉植物などの配置を工夫すると、自然豊かな箱庭のような風情になります。

まず、中心になる植物を決めること。季節ごとに草花を加えたり、伸びてきたところをカットしたり、何年もかけて作っていくのも楽しいですね。

土には、水はけのよい赤玉土などが適します。

写真①

写真①は、ヤクシマススキを中心に、株元にアサギリソウ、オウゴンシモツケ、手前には斑入りのドクダミを配置。器をグリーンで縁取り(右手前)をしているのはセダムです。この器は60㎝×30㎝くらいですが、十分自然の趣を感じます。

写真②

写真②の器には、屋外用の流しを使いました。深いグリーンのコニファーを中心に、アサギリソウ、オダマキ、足元には多肉植物。小石を敷いた隙間の部分もレイアウトの一部と考えましょう。

このように器の中を植物で植え尽くさず、隙間を作ることが、箱庭を作る時のポイントです。隙間があることで、大きさや奥行が感じられるのです。

写真③

写真③は、タイル貼りのアプローチにいろいろな器を集めて配置を工夫しています。花を植えなくても、変化もあり、スッキリした自然の雰囲気に包まれていますね。

箱庭を作る時は、庭を俯瞰的に見るので、実際の大きな庭づくりの際にイメージしやすく、習慣になると、知らず知らずにアイデアが浮かんできます。

たまに家の倉庫を覗いてみると、おもしろい器が眠っているかもしれません。適当な器を見つけたら、思いきって植物を植え、自分だけの逸品を作ってみませんか。

【今月の園芸作業】
観葉植物の繁殖に適します。ゴム類、ドラセナ類は、茎挿し(2節以上付けてカット)。サンスベリア、アナナスは株分け。ポトス、ゼラニウム、べゴニアは天芽挿し(5節付けて下葉2枚は取り除く)。茎には、ルートン、メネデールなどの発根剤を付けると効果的です。挿した茎は、半日蔭に置き、水やりを忘れずに。

【お知らせ】
〈 いつもの暮らしに植物を 〉
お庭や玄関先に季節の草花やハーブ類等を植えたり、窓辺に観葉植物を飾ったりと、暮らしに植物を取り入れてみませんか。

■アウトテリア民園
定休日、水曜、木曜日
営業時間 10時~16時
☎0466‐26‐1061

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