江ノ電沿線新聞WEB日記『304』
304という電車をご存じだろうか。2005年まで活躍した同車だが、実はそのルーツをたどると、タンコロの改造車なのである。
これらは106形106と109の組み合わせで、極楽寺で保存されている108号と兄弟であった。
もはや全く別物となってしまった2つの電車について語っていこう。
このグループは1931年に製造され、路面電車から鉄道線の転換期まではタンコロの仲間として活躍した。
鉄と木を組み合わせた半鋼製車が連接車に改造され、木造車や簡素な構造の車両が500形に駆動部分を提供して大型化されていく過程で、1958年に106と109が連接車304に改造された。
資料によると、車体はほぼ分解され原型を留めず、台枠と呼ばれるシャーシの幅を改造して再利用。また窓枠や座席、つり革の棒など再利用できそうな部品を組みなおして取り付けたという。
※画像はタンコロの車体構造を簡単に図示したもの。
上から車体(鋼製)、内装(木製)、台枠、台車。
108号がタンコロとして営業運転を終える中、304号はその後平成に入り大規模な修繕が行われた。1991年に冷房が設置され、またカルダン駆動になったことで走行時の騒音が軽減された。
1998年に制御装置を1500形以降の新車と同形に換装し、旧型車両ながら新型車と連結ができるようになった。
このように、108が昔の姿のままタンコロの愛称で愛される中、304は時代の流れに合わせて姿を変え続け、今の江ノ電のスタイルを作っている。
その源流は、タンコロにあったのだ。
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