カルチャー 鎌倉江の島七福神のススメ

鎌倉江の島七福神のススメ『弁財天』

江戸時代のお正月行事として一般化した七福神巡り。
鎌倉・江の島七福神は、お正月に限らず1年を通して参拝できます。

七福神にはそれぞれご利益があり、それぞれの神仏の出自を知ると、どんなご利益なのかがわかるのです!

江ノ電沿線新聞社発行の「七福神の伝来と鎌倉・藤澤 ~禍転じて福となす~(著者:大江昭子)」では、七福神の出自と伝来、そして、どのように私たちの町に伝えられて来たのかを知ることができます。

今回は「弁財天」の章から一部をご紹介します。

弁財天

弁財天と大黒天と毘沙門天は、もとはヒンドゥー教の神でした。「え~! 日本神にほんじんだと思ったよ!」と、聞こえて来るようですが、それほどに、日本の神様として馴染んでいますよね。この 3 名は、仏教の仏でもあります。 こう言うのを、「本地垂迹説ほんじすいじゃくせつ」と言います。 同じように、布袋尊は中国の禅宗の僧、寿老人や福禄寿は中国の道教 の神として発生して伝わったものを、日本人が取り入れて、日本人の願いや日本の信仰と結びつけて、日本の七福神信仰を作り上げて来た歴史があります。

弁財天は、インドの経典によると河川神サラスヴァティーであるとされています。これは、日本にも同じように川を崇める信仰があって、日本の「川の女神」だった一杵島姫命いちきしまひめのみこと禊払みそぎはらえ(罪や穢れをはらうために、川などの水を浴びて身を清めること)と習合されました。

川と言うのは、穢れを浄化し、豊穣(食物)・健やかな心・人類だけではなく多くの動物に子孫を与えてくれますが、氾濫もします。豊かな恵みと恐ろしい力は一体で、戦闘神でもありました。そのため、弁財天像は、武具を持っていることがあります。

鎌倉には 2 箇所の 弁財天の巡拝所があります。 ひとつは、 江の島 の弁財天 。江島神社 の 奉安殿に入って、弁天さまを拝んで、良く見せて頂いてください。 2020 年に 国指定文化財になった木造弁財天坐像があります。

もうひとつは、 鶴岡八幡宮の中にある旗上弁財天社です。弁財天像は、池から本殿の方に歩いた「鎌倉国宝館」に収蔵されているので、展示されているかお問い合わせの上、併せてめぐってください。

江島神社 奉安殿

鶴岡八幡宮 旗上弁財天社

七福神の伝来と鎌倉・藤澤 ~禍転じて福となす~
https://enodenensen.theshop.jp/items/55880836

鎌倉江の島七福神HP
http://kamakura-enoshima-shichifukujin.jp/

問合せ 鎌倉・江の島七福神会
(江ノ電沿線新聞社内)0466-26-3028(平日10時~17時)

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