アイデア園芸『筧と手水鉢』
アウトテリア民園 井田洋介
筧は、古くは自然の湧き水や小川から台所や手水に水を引くのに用いられたものですが、茶の湯の発達に伴って、蹲に組み合わされ、庭に風情を加えるものとして好まれるようになりました。現代では茶庭で見ることができますが、一般の庭にも取り入れられ、趣のある風景をつくっています。
写真①の筧は、竹の切り口を垂直に切り、水が流れるように竹の節を抜いたシンプルなもの。灯篭や石に水穴を掘った手水鉢など周りの風景に溶け込んで、落ち着いた「和風の庭」を感じさせています。
写真②は、竹の筒の先の部分を半分に削いで、変化を持たせています。竹の太さを変えたり切り口を斜めにカットしたり、流木を利用したり……。いろいろ試してみるとおもしろい景色になります。
古くなった竹を新しく取り換えただけでも雰囲気が変わります。落ち着いた佇まいから、略式のお茶会もできそうです。
写真③の手水鉢は、インドのコネバチです。素材は大理石。筧には銅のパイプを使っています。ブルーの石は外国産。
筧や手水鉢は、和風の庭をイメージしがちですが、視点を変えて、エキゾチックな雰囲気にすることもできます。
水があるところは、落ちる音や動きによって清涼感をもたらし、景色に静寂な趣を導きます。また、バードバスにもなり、思わぬ自然の景色を呼ぶこともあります。
DIYが得意な方は、手水鉢を購入し、自分流の筧を作り、オリジナルなスペースを作ってみるのも楽しいですね。
【今月の園芸作業】
中旬頃までに、ダリアの切りもどしをしましょう。一番花を摘んだ後,伸びて来たわき芽から2番花が咲きます。この時期に下から2節くらい残してカットしましょう。秋にきれいな花が咲きます。
【お知らせ】
〈暑い夏です〉
暑い夏がやってきました。そんな夏でも植物を取り入れて生活をさわやかにしてみませんか。お気軽にご来店ください。
■アウトテリア民園
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☎0466‐26‐1061