アイデア園芸 よりぬき沿線新聞

アイデア園芸『イタリアの門柱』

アウトテリア民園 井田洋介

門柱は、その家らしさを印象づけ、最初に出合う景色です。今回はバロック時代、北イタリアに造られた門柱を紹介します。華麗さや重厚感は、この時代の特徴とも言えますが、それだけに留まらず、自然と調和させたり、彫像を施したりして印象深いものになります。

写真①

写真①は、イタリアのヴェローナにあるジュスティ庭園。正面には石を積んだオベリスクと呼ばれる尖った形の1対の門柱があり、奥のグロッタと呼ばれる洞窟につがるアプローチの両サイドには高さ10mほどのイトスギが並んでいます。門柱に繋がる左右の塀には彫像を置き、ツタを絡ませたりして、豪華さと植物の優しさとの融合が新鮮です。石やレンガなどで成形して造られたものは、年月を経るごとに風化して自然に溶け込むのが普通ですが、この庭園の門柱は、行き届いたメンテナンスとほど良く取り入れられた自然との対比によって、シャープさが感じられ、圧倒されます。広い敷地を有していますが、無駄な広さを感じさせないデザインにも感心させられます。

写真②

写真②は、イタリアのコストッツアにあるダ・スキオ庭園。彫像と調和した石の門柱からは、力強さが感じられます。正面に玄関を配置せず、中に入っていくと曲がったところから家の全景が見えてくるという「目線を変えて楽しむ趣向」を凝らし、門柱の印象とともに心に刻まれる世界があります。

写真③

写真③は、日本の一般家庭の門柱です。フランス瓦をアクセントに、石の重厚感を生かすことによって、家全体が個性的で、豪華な印象になります。

イタリアの庭園を参考に、門柱に着目して、庭づくりに応用してみませんか。

【今月の園芸作業】
9月中旬から10月下旬までにフリージアの植え付けをしましょう。鉢植えにして、戸外の涼しい日蔭に置き、10月に発芽したら、充分に日に当て、11月中旬には窓越しなど室内の明るい所に置くと、2~3月に開花します。

【お知らせ】
まだまだ暑い日が続いております。無理せずにお過ごしください。
秋の草花やカラーリーフ等が入荷しはじめております。秋を感じる寄せ植えや壁掛けバスケット等を作ってみませんか。お気軽にご相談ください。

■アウトテリア民園
定休日、水曜、木曜日
営業時間 10時~16時
☎0466‐26‐1061

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