アイデア園芸『バロック庭園』
アウトテリア民園 井田洋介
1580年頃にイタリアから始まった芸術・文化・建築などの「バロック様式」は、庭園も同様に「バロック庭園」としてヨーロッパ各国に広まっていきました。
バロック庭園は、斜面を大胆に利用したり、壁面、噴水、彫刻、グロッタと呼ばれる庭園洞窟を施し、独創性や壮大さを感じさせるのが特徴です。
今回ご紹介するイタリアの街ヴェローナにある「ジェスティ庭園」は、バロック様式の特徴が生かされた美しい庭園です。
写真①のように、門からつきあたりには、人工洞窟(グロッタ)や壁面の上にはマスケローネ(怪人面)が造られています。この時代を象徴しているような「奇抜さと美しさの対比」には驚かされます。
写真②は、門からグロッタの通路に並ぶイトスギ。500年以上の歴史を持っています。高さは10m位あり、戦いに勝つことを示唆するオベリスクのように狭円錐形を保って、空を指して伸びています。並木道を歩くと、「垂直のパワー」のような不思議な力を感じ、引き込まれるような錯覚に陥ります。
山の北側を下っていくと、庭園(写真③)に入ります。「緑の迷宮」ともいえる迷路のようなツゲの刈込みが目の前に広がり、まるで別世界。随所に配置された彫像との調和もバロックらしい芸術性を感じます。
イトスギは、放っておいても整った形のまま成長するので、管理がしやすく、シンボルツリーや、庭木にも使え、「垂直の空間」が自宅の庭で味わえます。バロック庭園を参考に、庭つくりの新しい楽しみ方、発見してみませんか。
【今月の園芸作業】
2月の下旬頃は、シラン、オダマキ、ギボウシなど、宿根草の株分けに適しています。また、植物が休眠している間に庭全体の消毒をしておくと、長く病気の防止に役立ちます。
【お知らせ】
〈寒い季節のお花〉
こんな寒い中でも咲いている草花は、玄関や窓から見える景色を豊かにしてくれます。そんな草花の寄せ植え等で季節の彩りを取り入れてみませんか。お気軽にご来店ください
■アウトテリア民園
定休日、水曜、木曜日
営業時間 10時~16時
☎0466‐26‐1061