コラム・その他 鎌倉殿リレーコラム

鎌倉殿がもっと楽しくなる!リレーコラム②『中原親能~漢字が読めなくても世渡りは上手~』

伊藤 一美(NPO法人 鎌倉考古学研究所理事)

幼稚の昔から相模波多野氏のもとにいた中原親能。父は京都在住の中原広季。どうした訳か親能だけが東国育ち。漢字が読めないやつ、と九条兼実は酷評する。学問のイエ中原姓から一時期、藤原と代わるのもよくわかる。波多野氏の周りには雲隠れ如きの、こうした食客が集まった。反平氏の佐々木氏、大中臣氏なども。

苦しい環境は人を育てる。若き頼朝にも面識があったはずだ。「年来の知音」「甚深の知音」とも言われている。頼朝旗揚げ以後、突然に都の主家から姿をくらます。

鎌倉で頼朝の娘三幡乙姫を育てたのも親能の妻だった。頼朝死後、重病の三幡を妻と尼政子らと見守り、鎌倉亀谷の持仏堂に供養する。早くに食客大友能直をも養子とした。子孫はキリシタン大名大友氏。歴史は人の縁が創るのだ。

中原親能(鎌倉市観光協会オリジナルキャラクター)


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