鎌倉殿がもっと楽しくなる!リレーコラム①『八田知家~頼朝にモノ申した男~』
伊藤 一美(NPO法人 鎌倉考古学研究所理事)
源頼朝は八田知家を待っていた。二度目の上洛に彼の力が必要だった。不快顔の頼朝をも構わず行列の先後者を問う。先陣は畠山重忠、後が決まらない。都で乗る馬は梶原景時が黒駮を用意していると頼朝は答える。間髪入れず、なに悩むことはない、千葉常胤が最適と知家は返す。黒駮は主君の鎧には不似合いだ、持参した八寸余(龍馬)の黒馬を使うこと、にべもなく押し付ける。「京都に馴れる輩」の姿を彷彿とさせる。
常陸国武士八田知家は頼朝御厩や奥州藤原氏の貢馬管理などを担当する。馬の知識が豊かな証拠だ。頼家への御馬も用意した。故郷茂木郡内には馬牧をも持っていたのだ。
上洛道中には景時の馬を使い、晴れの都では知家の黒馬に乗った。主君の鎧と知家の馬、都人はその組み合わせに目を見張ったことだろう。馬装のコーディネーターそのものだ。
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